はじめてのマウイ(その21)

その日は夕暮れ時までプールサイドで過ごした。なかなか贅沢なひと時だった。だが日も暮れかかると今度はまた夕食のことを考えなければならない。昨日の過ちを繰り返すわけにはいかなかったのでホテルの部屋で少しのんびりしたあと早めに食事をしようと考えていた。明日の夕食はレストランでの豪華ディナー?が約束されていたので今日もまたどちらかと言えば倹約した夕食で済まそうとは思っていた。実を言うと私も細君もそれほど魚が好きという訳ではない。細君はエビやカニは好きだし私はマグロは大好きなのだが、ひかりものや大きな貝類はまるっきしダメである。以前生ガキがダメだと暴露したときに人生を損してると言われたことがあるがこればかりはしょうがない。だから居酒屋でほっけやししゃもを頼む分には何の問題も無いのだがシーフードレストランみたいなのは正直私は苦手なのである。

もちろんサンドウィッチやスパゲティー、カレーライスみたいなものもあるのだが率直な感想もののわりには値段が高すぎる。もちろん観光地料金なのだからそれくらいは見込んだ上で行かなければいけないが、どうも感覚が普段の食生活と結びついていて贅沢すぎると思えてしまう。今後行く人は是非お金に思いっきり余裕のある状態で行って欲しいものである。

さて、そこで結局その日の夕食はどうなったかと言えば、これまた昨日来たマクドナルドが入っている一郭だ。しかしホテルをウェスティンにして正解だった。というよりもここのホテルで無かったら一体どうなってたんだろう。ホテル内の馬鹿高料理を何としてでも食べないわけにはいかなかったんだろうな。ということでそれはともかく、あらためて昨日見つけられなかった蕎麦屋を探してみたがやはり閉まっている。完全に潰れてしまったらしい。だけどガイドブックは行く半年前に発刊されてるんだよね。そんなに早く潰れないで欲しいよな。昼間ハンバーガー食べてるので夜は麺類とか食べたかったんだけど無いものはしょうがない。マクドナルドではサイミンとかいうらーめんに似たものもあったけど、さすがにまたマックは抵抗があったので同じスペースに入っているピザとパスタの店で、オリジナルのピザとスパゲティを頼むことにした。注文してから焼き始めるので結構時間がかかったし、食券を買うわけではなかったので注文を受けた人とレジを打つ人が違っている。値段は本当にあってるのか?という疑問はあったが仕事振りはなかなか真面目のようだったので特に問題もなかっただろう。しかし店も相当混んでいてその店の人たちも相当いらいらしていたようだ。ふと思ったのは昨日はわりと年輩の人たちが街に多かった気がしたのだが今日はなぜか若者が目に付く。休みの関係なのだろうか。

中は混みあっていてあまり落ち着かないので外のテーブルで食べた。満足できたかと言えばファーストフードだからまあこんなもんだよね、という感じ。それでも昨日のおつまみ夕食に比べれたら雲泥の差だ。夕食はまた明日に期待すれば良いという気持ちも強かったので特に不満があるわけでもなかった。

細君にはひとつハワイでしたいことがあった。それはブランド品の買い物である。ここホエラーズ・ビレッジにはオアフのアラモアナ程ではないにしろ、それでもブランド店がいくつか入っている。それもまた女性の楽しみだろう。帰りがけにいくつかの店を付き合わされた。ちょっと辛いのはオアフほど人がいないから店に入ると思いっきり目立って店員の注目を集めてしまうことだ。余程度胸の据わった人でないと気持ち的にはゆっくり商品を見るというわけにもいかないかも知れない。私はときどき煙草を吸いに外に出ながら細君のウィンドウショッピングに付き合っていた。いくつかの店を回っているうちにお目当てのものを見つけたようだ。だがマウイの夜はもう一日あるので最終的には明日決めるらしい。

さて、大方見るべきものは見たので今度はまた昨日のリベンジでABCストアに行った。このツアーはマウイの朝食二回つきなのだが一回はもう今朝食べているので明日か明後日どちらかにしないとならない。当然楽しみはあとに残しておかないといけないので、必然明日の朝食は自前で用意する必要がある。もちろん自腹でレストランのバイキングでもいいのだが、普段から朝食は食べない習慣なのであえてお金を払ってまでレストランと言う考えは初めから無い。とは言え明日もまたいつ昼食にありつけるかわからないので今日のうちに買っておこうということになった。



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