はじめてのマウイ(その16)

今日の日本語カウンターは昨日のおじさんではなく、やはり日系人みたいであったがおばさんだ。フラダンスショーの時間を確認してその時間に合わせて予約を入れてもらったが、このおばさんかなり気さくな上に記憶力がいいのか、途中うしろを通る他の客に声をかけては「大丈夫だった?」とか聞いている。逆に客の方から声をかけられる場合もあったが、その度にこちらの話が中断されるのには閉口した。気持ちは分かるが、その分待たされるこっちの身にもなってもらいたいものだ。待たされた分、夕食の予約だけでは損した気分なので、ついでにこの際だから他のことも聞いておこうと、マウイの観光と言えばこれくらいしかないぞと思われる、さとうきび列車などについても聞いてみた。ガイドブックによればホテルからシャトルバスが出ているみたいに書いてあったが、そのときの説明では最近は不定期でよくわからないということであった。ただ駅の近くに無料の駐車場があるということだったので、それなら問題無いなということで出発駅までの道のりや目印を聞いてその場を後にした。


さて、今回の旅行はいたってのんびりしたものだ。なんと言っても予定らしい予定と言うのは、そのさとうきび列車とハレアカラ山しかなかったので、天気を見ながらどうするか決める予定だった。恐らくハワイを旅なれた人で、特にマリンスポーツが好きな人はもったいないと思うに違いない。ただこれは年齢的なものもあるのかもしれないが、ちょっとばかり飽きている部分もある。ゴルフにしてもオアフなら現地で自分で予約してこれまた自分の足で行ければ値段は相当安いが、マウイでは日本とほとんど変わらないように思う。ハワイまで来てなぜ山なのだという気がしなくも無いが、富士山級の山の頂上まで車で一気に登れる山もそうないと思う。まあ、ハワイの空気を満喫できて、それなりに見るところは見たよと言えればいいくらいのお気楽な感じではあった。

幸いにも天気に恵まれ、朝食も満足行く食事が出来たので今日のうちにハレアカラ山に行ってしまおうということになった。さて標高3,055mの山頂まで片道約2時間半、往復で5時間くらいはかかるので早めに出発して帰りどこか途中で、お昼を食べて帰ってこようということになったが、心配なのはガソリンである。カローラだからそれほど燃費は悪くないと言っても、山登りでどれくらいガソリンを食うかわからない。空港からの片道1時間くらいしか走っていないので、まだほとんどガソリンメーターの針は振れていなかったが、昨日の段階では給油口のレバーが分からなかったのであらためて探してみた。ところが計器やスイッチ類はほとんど変わらないのに給油口のレバーだけは依然分からない。車から降りて座席の下を念入りに確認したがいくら探してもそれらしきものは見当たらない。焦りながらダッシュボードの中に入っていた説明書なども開いてみたのだが、それらしき説明も無い。英語で書いてあるのでそのうちイライラしながら、どうしてカローラなのにこんなにわからないんだ!と思ったが、そのうちぼんやりと眺めていたハンドルに焦点があった。そのハンドルの中心には『Ford』と書かれてあった。